法人税、消費税などの税金計算は、複雑な計算を要するため、通常は税務申告ソフトを利用します。

この税務申告ソフト、最近はインストール型のほかクラウド型など様々なものが出回っています。

無理に入力スキルをつけるより、「入力をなくす」

税務申告ソフトは正確性、網羅性に非常にすぐれており、複雑な税金計算を行うためには必須です。

ただ、最近登場したソフトはともかく、昔からある税務ソフトは・・下記のとおりとても癖があり入力が困難です。

  • 紙の税務申告書を入力画面に置き換えただけ
  • どこに何を入力すればよいのか分からない(余計な空白など)
  • 入力に難あり(「平成30年10月1日」と入力するのに「301001」と入力するなど)
  • 入力方法に統一性がない(Tabだったり、Enterだったり・・)
  • ユーザーインターフェースがまずい、プロしか意識していない
  • Excelアップロードが限定的・若しくは使えない

使う人が限られた人(税理士、会計事務所の職員)だけだからでしょうか、非常に独特です。

他の業界では考えられないかもしれませんが、

会計事務所の繁忙期にこの税務ソフトへの入力要員が増やされるくらいです。

ただ、私はこういったカオスな税務ソフトへの入力スキルを上げるよりは、

他のことにも応用できるExcel、RPA、プログラミングの知識を活用して

「いかに入力をなくすか」

を考えていくほうが良いと思っています。

そもそも既にあるデータを他のソフトに転記、といった「仕事のための仕事」が発生すること自体が良くないと思っています。

RPAソフト(UiPath)でExcel→税務ソフトへ転記

例えば法人税の申告に必要になるものとして、「勘定科目内訳書」というものがあります。

科目ごとの金額の内訳を示した書類です。

電子申告(申告書を電子的に提出する方法)するためには、専用の税務ソフトでこれを作らなければなりません。

こういったものです。とにかく入力しづらくて、これをペチペチ打っていくのは本当に拷問です・・。

かといって、使いやすく、集計もスピーディにできるExcelで作っても電子申告には利用できず、結局紙で郵送することになってしまいます。

電子申告なのに紙で提出・・とかは絶対に避けたいので、使い慣れたExcelで作成し、それを税務ソフトへ転記するRPAロボットをUiPath(RPAソフト)で作ってみました。

作り方は、こちらの記事を参考にしました。

UiPath(RPA)×Excel。Excelから税務ソフト(JDL勘定科目内訳明細書)へロボットが入力 | EX-IT

基本的な作成の流れは、

レコーディングで税務申告ソフトの動作を記録

For Each関数でExcelのシートを一行ずつ読み込み、税務ソフトへ転記

となります。

UiPathは最近日本語化がされて、更に使いやすくなりました。

条件を満たす小規模事業者であれば無料のコミュニティエディションが利用できます。

例えば特定のキーを押すアクションである「Send Hotkey」は「ホットキーを押下」に変わっていたり。

ちょっと違和感ある表現もありますが、元の英語でも検索できるので安心です。

税務ソフトは完成・提出用に。「なるべく入力しない」がベスト

会計・税務業界以外の方にとっては「なんでそこまでしてるの?」と思われることをしていると思います。

しかし、国・地方のシステムも含め会計・税務の分野はIT効率化が非常に遅れています。

逆にそういった状態だからこそ上記で紹介したRPAの知識が役に立ちますし、それ以前にExcelで効率化できる方法もまだまだあると思います。

カオスなソフトに合わせてストレスを溜めながら仕事のための仕事をするのは避けたい、というか避けるべきです。

使いやすくて汎用性の高いExcel・RPA・プログラミングスキルでなんとかできないか

を、立ち止まって考えてみると効率化スキルアップへと繋がります。

まとめ

ついついこういった効率化は「時間があるときに」と考えがちですが、

実際の申告のときに一緒に行ってしまうほうが血肉になると思っています。

上記のようなRPAは、汎用性が高く一度作ってしまえば他の会社にも応用できます。

編集後記

週末は、冬に備え布団・衣料品などを買いに。引越しのときにかなり捨ててしまい・・。

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