「好きなこと」が最高の価値表現ー『働き方1.9 君もすきなことだけして生きていける』
5/292019
カテゴリー:本
「ヒロシです」
から始まる、自虐ネタでブレークした芸人さんであるヒロシさんの本
『働き方1.9 君も好きなことだけして生きていける』
がとても面白かったので、特に共感した部分、学びになった部分を書きたいと思います。
スペシャリスト同士がつながる
ヒロシさんが芸人時代のときに辛かったのは、「決定権のない人と交渉する苦痛」
だったそうです。
決定権のある人同士でやりとりすれば一瞬で終わることも、
調整役が中に入ることで商談、承認などの無駄な作業が行われることになる。
多くの企業が、なんでもやの調整役を抱えすぎている、との指摘も。
仕事の価値が大して上がらないのであれば、調整役は中抜きにして、スペシャリストの人が個々に結びついてやっていったほうがいいのではないか
これは私も独立前、
社内では私⇒直属の上司⇒更に上の上司⇒更に上の上司・・、
社外でも私⇒担当の人⇒担当の人の上司⇒更に上の上司・・
といった形で決定権のない人が多いことで意思疎通が阻害されたり、時間が余計にかかったり
していたのでよく分かります。
独立のきっかけとなったのも、
「経営者に『直接』サービスを提供したい」
ということからでした。
特に現代はITも進歩していて、途中に挟むゼネラリストの役割はどんどん下がってきています。
スペシャリストの人が増え、かつスペシャリスト同士でつながることによって
余計なストレス、時間は減ると思っています。
「すべての人に買ってもらわなくて良い」
ヒロシさんはマスコミやお笑いの世界が自分に合っていないと察し、
現在は元々趣味であったキャンプに関するYouTuberになっています。
キャンプとはいっても、「ソロキャンプ」と呼ばれる基本的にひとりで行うキャンプです。
キャンプといえば私の中では
「大勢でワイワイ楽しむ」
イメージですが、
ひとりでキャンプ?それを動画に?面白いのかなあ・・。
と思ってちらっと見たところ。
びっくりしました。本当に淡々とキャンプをとりつづける動画でした。
ただ一方できれいな自然の景色と、そこで流れる音、自然の中で作る美味しそうな料理、カメラを意識していない自然なスタッフとの会話など
ヒロシさんの「本当にキャンプが好き」という気持ちが伝わってきて、見入ってしまいました。
あれだけブレイクしたのに、顔出しもほとんどせず、ただ「好き」を表現しています。
何よりも良いなと思ったのが、無理に大衆にアピールせず、
「気に入った人だけ見てくれれば良い」という姿勢です。
これを読んではっとしたのが、
私自身も会社を辞めてから
「周りにいるすべての人に役に立つ」
ことの不毛さ、ストレスの多さに気付いたことです。
社内の人に気を使い、社外の人に気を使い、振られた仕事をただこなし・・
といったことをやめて
「自分が役に立てる人にだけ直接役に立つ」
ということに集中したらストレスがすごい減りました。
そして「役に立てる」というのは、究極的には「好きなこと」でしかありえないのだということも
知りました。(そうでないと、絶対に続かない)
綺麗事じゃなく、無理せず、好きなことをして、役に立てる人に価値を届け、ストレスなく
働くことは可能であると再認識しました。
利益は、金銭面だけでなく気持ちよく仕事ができることも含む
ヒロシさんは、利益についてこう書いています。
僕が考える「利益」とは、金銭面だけではなく、気持ちよく仕事ができることも含む。
私達数字の専門家は数字ばかり見てしまいがちですが、
「気持ちよく仕事ができること」も数字で表せないけれど利益に含まれると。
確かに、人がうらやむような年収を得ている人たちでも、
ストレスフルな部分を差し引くと、むしろ年収低い人のほうがトータルで満足度は高いこともあるのではないでしょうか。
ヒロシさんは、好きなことを気持ちよくやっている(=自分の軸が、他人や外面的な評価などではなくて自分自身に立脚している)ときには、
金銭的な利益に振り回されないし、他人にバカにされても心が折れない、
と書かれています。
「芸人から落ちぶれた」などと揶揄されて、嫌というほど他人から心無い言葉を言われてきたであろう人の言葉には重みがあります。
私もはっきりとは言われたことはありませんが
「え、◯◯円だけなんですか?」(仕事の報酬を聞かれ正直に答えたときに言われた)
「どうやって生きていくんですか?」(顧客0で独立したとき)
など結構馬鹿にされてきた気もしますが(気付いていないときもあるかも)、
今は
「すごく稼いでます!」
とは言えませんが
自信を持って
「気持ちよく仕事ができてます!」
とはいえます。(まあ、小さなストレスは毎日色々ありますが)
まとめ
ヒロシさんの「『働き方1.9 君もすきなことだけして生きていける』」を読んで、
共感できた・学びになった部分を書きました。
特に大勢とじゃなく、ひとりでコツコツ何かをすることが好きな人にはお勧めです。
私も初心を忘れず、他人の評価に振り回されず、役に立てる人に直接役に立ち、無理なく気持ちよく働く
ことを貫いていきます。
編集後記
昨日は、去年お世話になった出版社の方と打ち合わせ。
消費税に関する雑誌記事を書くことになりました。
知り合いの税理士さんの名前がたくさん出てきて、
会っていないけどつながってるなあ〜とあらためて実感しました。
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