大企業での経験で分かった事
6/212016
私は独立する前は従業員が100名以上の比較的規模の大きい事業会社に勤めていました。
大企業は、給料も安定しており福利厚生も恵まれていていまだに大学生やその親御さんたちにも人気があります。
大企業にしか経験できない仕事もあり、会社への帰属意識が高い人たちが多いため長く勤めたいという方には良いところなのかもしれません。
私も元々独立しようという気持ちは全くありませんでした。
しかし税理士登録をして外の世界に目を向けると、大企業の仕事の視点とは全く違ったやり方で成功して独立して活躍されている方たちがおり、もしかしたら私にでもできるかもしれない、と思うようになりました。
このように考えることができたのも大企業での経験があったからだと思っています。
今日は大企業での経験を通じて分かったことを書いてみたいと思います。
間接仕事が多い・・
大企業は多数の従業員をまとめあげなければいけないため、社内ルールが多くなり間接部門の人数も必然的に多くなります。
一人一人の役割が決まっているため責任の所在がはっきりしているのも特徴です。経理部であったら、「買掛金担当」「売掛金担当」「経費精算担当」「固定資産担当」・・などと職務が分かれていました。
こういった間接仕事、自分の担当仕事が多くなると全体を見る力が重要になってきます。
ともすれば自分のしている仕事を「こなす」だけになり「仕事の意味」を考えることがなくなってしまう落とし穴があります。
独立して一人で稼いでいる一人社長の会社を考えれば、経理や人事などの間接機能はまず要りません。当然売上を上げることがまず第一です。
しかし目の前の間接仕事ばかりに目を向けていると「自分の仕事がどのように売上に貢献しているか?」ということを見逃してしまいます。
「自分は大企業だからこそいられる人間なんだな・・」「自分の力で私はいくら稼げるのだろう・・」と悶々と考えることもありました。
一つの会社にずっと勤めあげようと考えている人たちには無縁な考えだったかもしれません。
意思決定者が複数いる・・
大企業には意思決定者がたくさんいます。(係長から始まり、課長、マネージャー、部長、部門長、取締役・・)
以前勤めていた税理士法人では、担当者に1人につきマネージャー、業務責任者が必ずついていました。
担当する会社は規模の大きな会社が多かったためやり取りをする相手も複数いるような状態でした。
更に申告書を提出する場合には審査を担当する者が少なくとも2人いました。
このように意思決定者が複数いる場合何かを進めるにも必ず決裁が必要となり時間がかかります。
(〇〇さんがOK出しているけれど、〇〇さんのOKをまだもらっていない、、など。相手会社側も然り。)
ただ大企業の場合には二重、三重のチェックによって品質が確保され、一担当者のリスクを軽減させている面もあると思います。
その一方でお客様の要望に沿いたいのに社内の調整に追われてしまう、という矛盾も生じることも多々ありました。
ニッチな仕事ができる可能性が高い・・が
大企業では中小企業では扱っていないニッチな案件に関わることができる可能性が高いです。
以前勤めていた上場企業では通常の月次決算の他、連結決算や開示などの仕事、税理士法人では国際税務の仕事に携わることができました。
ただこれらの仕事は個人事業主、中小企業ではまず必要とされない仕事なので今後も生かすためにはずっとそこで仕事をして出世していくか、同規模の会社へ転職するという方向になると思います。
教育をしてくれる・・が
大企業は資金に余裕があるため教育体制がしっかりしています。
研修期間を設けて、外部から講師を招いたりかなり予算を投入しているところもありました。
会社があらかじめ研修メニューを従業員に提供してくれるため、自ら自己啓発のためのセミナーを探す手間も省くことができました。
しかし、自腹を切って受講するものではないためどうしても受け身の体制となり現在も役に立っているかどうかというと疑問が残ります。
大企業の経験を通じて分かった事
以上、大企業での経験をまとめてみました。
ここまで書いてみて、大企業の経験を通じて分かった事は、
「自分は、大企業は向いていない」
ということでした(笑)。
まとめ
今日は大企業の経験を通じて感じた事、分かった事を書いてみました。
独立してからは自分の意思決定だけで物事が
動きます。自由度は非常に高いですが責任も重くなります。
それでもそちらを選択したい、と思えたのは対極にある大企業での経験があったからだと思います。
編集後記
午後は姉と西新宿の美術館へ行ってきました。
フランスの風景をテーマにした絵をたくさん見てきました。
美術史を一から勉強した訳ではないので詳しくはありませんが、たまに喧噪を離れてゆっくり絵画を眺められる時間が幸せです。