会社に支払調書の送付義務はない

毎年この時期になると、

顧問のお客様から

「取引先(主に個人事業主の方)から支払調書が必要と言われまして・・」

という連絡がきます。

※自分で自分の支払調書を作成することが多い税理士

 

支払調書とは、「あなたにこれだけ支払いましたよ」ということを

記載した書類で、一定の支払について会社が作成し、税務署へ提出する義務があります。

この数字を元に、税務署は申告漏れなどをチェックしているんですね。

 

ここでポイントなのが、

会社が支払調書を提出する義務があるのは税務署だけで、

支払った本人に対しては発行する義務はないということです。

しかし、これまで慣習で支払った側が支払先に支払調書を発行していたので

「支払調書、ください」

と言う方がいまだに多いのでしょう。

 

支払調書の数字をそのまま確定申告に使えるとも限らない

この記事を読んでいる個人事業主の方で、

毎年「支払調書、ください」と取引先にお願いしている方がいれば、

来年からやめましょう。

 

というのも、支払調書の数字をそのまま確定申告に使えるとも

限らないからです。

実は支払調書の「支払金額」は、

「実際に支払った金額」、「発生した金額(つまり、未払も含む)」

いずれを記入するかが会社によって曖昧なのです。

 

個人の確定申告を行う場合には、「発生した金額」を使わなければなりません。

もし支払先が「実際に支払った金額」を記載して、

受け取った人がその数字をそのまま確定申告したら、

誤った申告をしてしまうことになるのです。

 

こういうこともあるので、支払先が発行した支払調書は

たとえもらったとしても参考程度にしましょう。

 

売上の数字(と、源泉徴収された数字)

は、自分で管理するもので支払先に教えてもらうものでは

ありません。

 

支払調書を頼まずに、確定申告するには

支払調書を頼まずに確定申告するには

どうすればいいか。

 

それは、シンプルに「毎月売上と経費を把握する」

ということです。

 

理想は会計ソフトを導入することですが、

中には

「売上も事業レベルじゃないし、会計ソフトを入れるほど

じゃない」

という方もいらっしゃるでしょう。

 

必ずしも会計ソフトは必要ではありません。

誰のPCにも入っているはずの、Excelで十分です。

 

定期的(理想は、毎日)に、

発行した請求書に基づいて

売上計上日、取引先、内容、金額を一覧にまとめていきます。

 

経費も同様に領収書等に基づいて一覧にまとめます。

 

そして、毎月売上から経費を差し引いて利益(儲け)を出してみましょう。

 

このときたいそうなものを作る必要もなくて、

インターネットで無料で公開されているような

売上台帳、経費台帳のExcelテンプレートで十分です。

 

大事なのは、

「自分で売上・経費・利益を管理する意識を持つこと」

です。

 

いまはまだ事業レベルでなくても、

開業届を出し、青色申告で経理を行う、、ということになったら

支払調書を待っているだけでは到底自分の数字を正しく

作ることはできません。

 

金額が小さいうちから、

「自分の数字は自分で管理する」

という意識を持つことで、

覚悟も固まっていきます。

 

是非、支払調書に頼らずに自分の記録だけで確定申告を

行うことをお勧めします。

実際、金額が小さいうちから経理をきちんとしていこうと

する方はその後もうまくいっている方が多いです。

 

これから本格的に事業を始める方に向けて、

クラウド会計freeeの導入コンサルティングも行っています。

 

編集後記

週末は、手芸店をぶらぶらしていたときに見かけた

パリジェンヌっぽい生地でバッグ作りを。

簡単なエコバッグを作るつもりが

なかなか本格的なものと気付き・・丸2日かかりました。

 

最近のあたらしいこと

マグホックボタンの取り付け

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