本日、コミュニティ内で事業承継に詳しい税理士さんお二人に対談をしてもらいました。お二人とも地方都市在住で、首都圏でずっと活動してきた私とは全然違う世界のお話を聞かせてもらい、興味津々でした。

※地方こそ、待ったなしの事業承継、人手不足。

中小企業オーナーの高齢化に事業承継はまったなし

驚いたのは、地方の中小企業オーナーの高齢化です。

私の顧問先の社長の年齢は30代〜40代が中心なのですが、

お話いただいた税理士さんの顧問先には80代の社長さんもいらっしゃるようです。


こうなると、いつ何が起きるかわからないので事業承継はまったなしですが、

なかなか後継者が見つからないなどの悩みも多いようです。


更には、技術をどう引き継いでいくか、経営者マインドのある人をどう作っていくか、

など課題は山積みということを知りました。

地方こそ、人手不足が深刻

お二人の話を聞いていて、私が気になったのは地方の深刻な人手不足です。

周知のとおり、日本はこれから急激な生産年齢人口の減少を迎えます。

2020年は7406万人、20年後の2040年には5978万人なると予想されています。率にすると19%くらいの減少です。



そして、人手不足は人が集まる首都圏以外の地方こそ深刻になるでしょう。

そうなると、

いくら事業承継がうまくいって後継者が引き継いだとしても、

会社に人が集まらなくて経営していけない…なんてことにもなりかねません。

余る首都圏のホワイトカラー、求められる地方のアドバンストエッセンシャルワーカー

この問題を考えたときに、先日読んだこちらの「ホワイトカラー消滅」という本を思い出しました。

Amazon.co.jp: ホワイトカラー消滅: 私たちは働き方をどう変えるべきか (NHK出版新書 728) : 冨山 和彦: 本

この本には、タイトルどおり、生成AIによってどんどん首都圏に集まるホワイトカラーの仕事がなくなり、一方で地方でアドバンスト(高度な)エッセンシャルワーカーが求められるとされています。


生成AIは人間の脳の代わりなので、経営など重要な意思決定する人を除き、単なる調整役のマネジメント職や、事務作業レベルの人の仕事をどんどん置き換えていくとこの本には書かれています。

しかし医療や福祉、交通、建築、製造、飲食、教育、公共サービスなどいわゆる社会の基本的なインフラを支える人たち(エッセンシャルワーカー)の仕事は生成AIには置き換えられないんですよね。コロナのとき、そうであったように。






だから、生成AIにより人余りで賃金が下がり、苦しくなる首都圏のホワイトカラーは、地方のエッセンシャルワーカーに目を向けてもいいのでは、ということを著者は提案されています。


しかし、ここに「アドバンスト」(高度な)と書かれていることが重要で、これはDX(Digital Transformation)を実行できるレベルの人たちがより求められているということです。


確かに、なぜ地方から人が首都圏に流出してしまうのかというと、賃金が低い(つまり、付加価値が低い、割に合わない仕事をしている)ということなんですよね。

そこで、少ない人で、より大きな成果を上げることが必要になるのですがそのときにやはり外せないのがDXです。

DXって、「デジタル化」では決してないんですよね。経営者目線で、会社全体を見て、仕事を取捨選択しつつ、効率的に価値を生み出していくためにITをうまく活用することだと思っています。

↓こちらの本にDXの本質が書かれていました

DXの思考法 日本経済復活への最強戦略 | 西山 圭太, 解説・冨山和彦 |本 | 通販 | Amazon


例えば、首都圏にいる若い人たちが魅力を感じられるような発信を、地方の企業からもできるようになると全然雰囲気も変わるのでは。


現に、我々より一回り若い世代である人たちは、文系・理系、ホワイトカラー・ブルーカラーなど従来の分け方を気にせず、よりフラットな価値観を持っている気がします。


以上、「地方の事業承継は、DXとセットで考えていかなければならない問題」ということを、今日のお二人の話を聞いてあらためて認識しました。私に何ができるか、考えていきます。



編集後記

週末は、頼んでいた新しい電子ピアノが届きました。

早速、たくさん弾いています。

これまで6年お世話になった電子ピアノとはお別れ。なんだか手放すときとても淋しく。感謝の気持ちでいっぱいです。

編集後記

KAWAIの電子ピアノCA701

コミュニティメンバー同士の1on1

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