なぜミス・改ざんが起きるのか

税理士をしていると、

会計・税務のルールに沿った

運用を心がけなければなりません。

 

例えば、数字のミス・改ざんです。

単なる領収書の数字の入力ミスや、

人が恣意的に行っている改ざんがあります。

 

電子帳簿保存法ではよく、

「真実性確保のため」

という言葉が使われます。

 

ミス・改ざんが起こらないように

するのは大事なのですが、

そもそもなんでミス・改ざんが起こるのだろう、

ということで以下、妄想してみました。

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※要件が複雑な電子帳簿保存法

 

人を介するからミス・改ざんが起きる

その理由はただひとつ、「人を介する」からと確信しています。

ミスを起こすのも、税金を減らすためにちょっと魔が刺すのも人です。

 

ですので、会計・税務は今後

「なるべく人を介さない」

「プログラムだけで記録を行う」

ことが大事と考えています。

 

現時点でも、クラウド会計など、

データを同期することによってある程度

人を介さない仕組みはできつつあります。

 

ブロックチェーン上に会計数字が刻まれたら

もっとセキュリティを強化して、

誰もが

「このデータは正しい」

と言える状態にするにはどうすれば良いか。

そこで勝手に思いついたのが

暗号資産などで使われているブロックチェーン技術です。

 

ブロックチェーンはネットワークにつながるすべてのノードが

分散的にデータを記録する仕組みです。

誰かひとりが改ざんしようとしてもすべてのハッシュ値計算を

覆さなければなりません。

つまり、改ざんがほぼ不可能な仕組みです。

 

最近だと、NFT(Non-Fungible Token。唯一無二のデジタル資産)

にもブロックチェーン技術は使われており、データの真実性・資産性を担保する仕組みにもなっています。

 

これらの特徴を見ると、

改ざんをしてはいけない会計数字と

めちゃくちゃ相性が良い気がしました。

 

というわけで

もしも、ブロックチェーン上に会計数字が刻まれたら。という妄想をしてみました。

 

まず、電子帳簿保存法の要件が不要になるかと。

電子帳簿保存法の大きな要件に「真実性」(訂正削除履歴が残るシステム、タイムスタンプなど)がありますが、

そもそもブロックチェーンは改ざん不可能な仕組みなのでこれらの要件は不要になるでしょう。

 

2022年の時点では(パブリック)ブロックチェーン上に刻むことができるデータの容量が少なく、

メタデータ、ベクトルデータなどの小さいデータのみなので

請求書の画像データなどの証憑を保存することは難しいですが、

これらが解決されるのも時間の問題でしょう。

 

そして、税務調査。

ブロックチェーンにすべての会計数字が刻まれ、それを元に税務申告までできたら

間違いなく税務調査のニーズは少なくなるでしょう。(というか、不要になる)

 

それによって税務職員、税理士の仕事が少なくなるでしょうけども、

社会にとって良いことには間違いありません。

税務署「不正してないか?」→納税者「いや、してません」→「証拠見るために調査するからな」

という不毛なやり取りがなくなりますし、調査コスト(税金)も浮きます。

 

とはいえ、

ブロックチェーンが公部門に使われるのは一番最後と思われるので、

しばらくは人を介することによる手間は続きそうです。

まずは民間への導入を見守りつつ、会計・税務に採用されることを

気長に待ちます。

 

まとめ

今日は、ちょっと近未来的な妄想をしてみました。

こんな感じでちょっと先の時代を妄想してみるのが楽しいです。

 

編集後記

旅のサブスク使って山梨の温泉へ。

ほうとうを食べ、

ガラガラの温泉を満喫。

マンツーマンで歴史的建築の説明を

していただき、写真撮影も楽しみました。

 

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