歴史と会計、いずれも好きな人に良い本

ジェイコブ・ソールという方が書いた

『帳簿の世界史』が面白いです。

複式簿記の誕生による帳簿の力が国家の歴史にまで

大きな影響を及ぼしていた、という

壮大なストーリーが1冊で学べます。

歴史と会計、どちらも好きな人におすすめです。

印象的だったメディチ家の話

14世紀から15世紀にかけて フィレンツェ共和国で実権を握っていた

メディチ家の話が一番面白かったです。

 

富を築くためにはお金儲けの力はもちろん、

お金の管理、つまり帳簿をきちんとつけられるかどうか

大事だったと。

これは今にも通ずる話ですね。

 

メディチ家の代表である「コジモ」という人は

銀行経営に複式簿記が必須であることをよくわかっていたようです。

手形などの信用取引が出てくると、単にお金の出入りを

記録するだけでなく、資産と負債をその都度集計して

毎日集計する必要があることを理解していたと。

しかも、定期的な監査もしていたようです。

 

会計システムがない時代(←当たり前)に、

すべての取引を帳簿に記入するって、、相当大変だったろうな

と推測します。でもそれをしないと全体像が見えてこないのもよくわかります。

 

ただ、キリスト教との兼ね合いで

「聖なる数字を商人の算術と混同してはならない」

というなんとも矛盾した思想もあったようで、

会計・複式簿記の普及の妨げにもなったようです。

 

うーん、仕方ないにしても

お金がなければ教会も成り立たないだろうし

難しいところですよね。

中世のイタリアの歴史・宗教をこういうところから

学べるのも面白いです。

 

いつの時代も帳簿をつけられない組織は滅びる

このメディチ家も、

イングランド王の戦費の踏み倒し、無理な融資による債務超過、

などが続き衰退してしまったとされます。

その原因の1つは、複式簿記を前提とした

正確な帳簿の記入、そしてしっかりとした監査の文化が衰退していってしまったことのようです。

 

現代も、数字をきちんと管理できない人(会社)

は滅んでいきますよね。

帳簿を蔑ろにしていると、帳簿に後からツケを支払わされる。

私も事業を行う人間として、

良いときも悪い時も帳簿(というか今はデータですが)

と向き合っていくつもりです。

 

編集後記

土曜日は、息子がトレンチコートを買いたいというので

お買い物。アウトレットは賑わっていました。

 

最近のあたらしいこと

洪鐘弁天大祭

なんと60年に1度のお祭りが近所で行われました。

家の前は人がすごかったのですが、なんとかお神輿を見ることができました。

引っ越してすぐにこういう行事を見ることができてよかったです。

« »