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会社員がフリーランスよりも恵まれている点(制度的な観点から)

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独立してから何人かの会社員の方に、

「フリーランスって自由なんでしょ?いいな」

と言われました。

会社員の人から見たらそう見えるのかもしれません。

しかし、自由であること=不安定を受け入れることでもあります。

安定した収入を得たい、なるべく苦労をしたくない、という方は会社員でいることをお勧めします。

制度的にも、会社員がフリーランスよりも優遇されている点はたくさんあります。

確定申告は会社がやってくれる

普段会社勤めをしていると気づきませんが、総務、人事、経理などの間接部門は本来従業員が自分ですべき仕事を代行してくれています。

その1つが、確定申告

フリーランスの方が1月~3月にかけて必死で領収書を整理したり、税理士とやり取りしているときに、会社員は必要な書類を会社に提出するだけで済みます。

フリーランスの方の中には確定申告の時期は本業に支障をきたしてしまう方もいるほど。

独立してみて初めて会社でやってくれていた事の多さに気づく方も多いでしょう。

会社員は自動的に経費が認められるー給与所得控除制度

会社員は「給与所得控除」という自動的に経費を認めてくれる制度があります。

従ってフリーランスのように自分で経費を集計する必要がありません。

フリーランスで経費が少ない業種(執筆業など)の方が経費にあげるものがなくて困っている一方で、会社員は自動的に給与所得控除で経費が認められるのです。

その額は、ざっくり計算して収入の3割、最低でも年間65万円です。

ちなみに最低額の65万円に基礎控除の38万円を足すといわゆる103万円の壁に当たることは皆さんよくご存じかと思います。

開業したてのフリーランスの場合、業種にもよりますが経費65万円は決して安くはありません。

それが自動的に認められる会社員のメリットは大きいです。

恵まれている社会保障制度

会社員の方は入社すると同時に健康保険と厚生年金に入ります。

この手続きも総務の方がやってくれますね。

一方、フリーランスの方は国民健康保険と国民年金に入ります。

一見すると名前が違うだけのような気がしますが、金額・保障内容すべてにおいて会社員が入る健康保険と厚生年金の方が優れています

理由は以下のとおりです。

  • 健康保険・厚生年金の保険料は会社と折半できる

会社員の方の健康保険・厚生年金保険料は会社と折半して払うことができます。

これに対しフリーランスの方が払う国民健康保険・国民年金は全額自己負担のため負担が重いのです。

  • 健康保険の方が国民健康保険よりも保障内容が手厚い

健康保険の場合、被扶養者(配偶者・子など)の保険料はかかりません

あくまで本人の月収(標準報酬月額と言います)を基準に決められます。

更に、第3号被保険者といって、会社員の妻の年収が130万円未満(大企業に勤めている方の場合には106万円未満)の場合には、妻自身が保険料負担なしに健康保険に加入することができます。

一方、国民健康保険は被扶養者の概念はなく、世帯人数が増えれば増えるほど、保険料は増加してしまいます。

第3号被保険者制度ももちろんありません。

また、健康保険には「傷病手当」という優れた保障制度があります。

会社員が病気などで働けない状態になった場合、標準報酬月額の3分の2が支給されます。

一方フリーランスの方は自分が働けなくなった時のために自分で防衛策を用意しなければいけません。

  • 厚生年金は公的年金の2階部分

日本の公的年金は20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金と、上乗せ部分である厚生年金の2階建てになっています。

従って会社員の方は入社と同時に国民年金+厚生年金の2階建てに加入しているのです。

一方フリーランスの方は1階部分の国民年金のみ加入しますので、会社員の方はフリーランスの方よりも老後の手当が厚くなっています。

国民年金のみでは老後の生活は難しいため、フリーランスの方はなんらかの上乗せ部分(国民年金基金、個人型確定拠出年金(401k)など)に自分で加入する必要があります。

第3号被保険者、国民健康保険については、以下の記事でも書いています。

働く女性に立ちはだかる色々な壁ー配偶者控除103万円、第3号被保険者106万円・130万円。

税金と同様重い国民健康保険料、その計算方法は

 

退職金制度

今は制度としてない会社も多いですが、まだまだ会社員のメリットとして根強いのが退職金制度です。

実際、現在会社員の方の中には老後の資金を退職金頼りにしている方も多いでしょう。

退職金制度には会社に一任するものから自分で運用先を選べるものなど様々ありますが、

基本的には会社を通じて手続きを行うため会社員が自分で手続きをする必要はありません。

一方フリーランスの方は小規模企業共済制度などを検討し、自分で老後の資金を蓄えなければいけません。

まとめ

以上、会社員がフリーランスよりも恵まれている点を制度面からまとめてみました。

  • 確定申告を自分でする必要がない
  • 自動的に経費が認められる
  • 恵まれている社会保障制度
  • 会社が用意してくれる退職金制度

独立してからのメリットを私はよく書きますが、制度面だけで見てみると会社員のほうがよほど恵まれています。

全ての人にフリーランスをお勧めできる訳では決してありません。

ただ、全部踏まえた上でも私はフリーランスになったことを後悔はしていません。(制度面<生き方という感じでした・・)

制度面の違いを冷静に分析したうえで、自分に合った働き方を選択することが大事です。

編集後記

きたみりゅうじさん著の

「フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。」

という本を読んでみました。

考えてみたら、書店に売っている税金の本は我々専門家向けのものばかり。

こういった会計なんて全然分からない、という普通の人向けの本こそ必要なのではと思いました。

意外と(?)内容も濃いものです。

税金の説明となるとどうしても私もくどくどした説明になっていたのでこれを読んで反省しました。。

イラストレーターの方なので絵が魅力的でした。

これからフリーランスで活動したい、という方は是非。


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戸村 涼子
ファイル 2017-03-24 15 12 37

30代税理士。横浜市在住。
クラウド会計専門。ネットビジネスに強み。主に副業を行っているサラリーマン、フリーランス、小規模ベンチャーのお手伝いをさせていただいております。
既存の税理士業業界に常に疑問を持ち税理士としてどのように社会貢献していくか日々模索中。
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