デジタル化に関する講演をご依頼いただくことがあります。

その際必ずお話するのが、

「デジタル化は、とことんやる。中途半端ではできない

ということです。

※兵庫県で講演しました

最初から最後までデータオンリー

まず、経理でも、給与計算でも業務の流れすべてをデータオンリーにする考え方が重要です。

「ここは仕方なく紙で…」

というのを一切なくさない限り、デジタル化による効率化は達成できないと考えています。

例えば、私は以前「年末調整の電子化」に関する本を書きましたが、

このときも「業務をぶつ切りにしてはいけない」という理由で

部分的なデジタル化にとどまる無料の国税庁のソフトをおすすめしませんでした。

やるからには、とことんデータで完結しなければ意味がないからです。

中途半端に紙が混ざると、かえって管理コストが増し、業務量が増えます。

ペーパーレスは効率化につながらない

単に紙をデータ化する「ペーパーレス」は、効率化につながりません。意外と盲点と考えています。

例えば、紙をスキャンして保存する方法がありますが、これはデジタル化ではあっても効率化にはつながりません。データで検索できますが、スキャンする手間があるからです。

税務の世界でも電子帳簿保存法というものがあって、

要件を満たせばスキャンした領収書をデータ保存できるルールがあります。

しかし、どうしても紙で受け取らなければいけない領収書を除き、

このスキャナ保存は避けたほうが良いと考えています。

データでもらって、データで保存するのが一番早いからです。

作業ではなく、業務全体で見る

ペーパーレスは、作業単位のデジタル化(Digitization)です。

部分的にデジタル化しても、業務フロー全体で効率化できていなければ意味がありません。

デジタル化は3ステップで説明することが多いです。1ステップは作業のデジタル化(Digitization)、2ステップは業務フロー全体のデジタル化(Digitalization)、そして3ステップは業務モデルの変革を促すDX(Digital Transformation)です。

本来のDXはビジネスモデルの変革ですが、DX=作業のデジタル化と思われていることが多い気がします。

業務の変革(DX)は別次元の話なので、目指すべきは2ステップの業務フローのデジタル化と考えています。

いくら作業の効率化であるペーパーレスしても、電子はんこを使っても、OCRで読み取っても、

業務全体で情報がスムーズに流れていかなければ効率化につながりません。

どこがボトルネックになっているのか、

一度業務全体を俯瞰して見ることが大事です。

私はそもそもの入口(どんなお客様に来ていただけるか)というところから整備しています。

編集後記

先週は、兵庫・加古川市でIT、AIに関する講演を。

去年コロナでキャンセルになった分のリベンジです。

快く再依頼いただいた担当者の方に、とても感謝しています。

内容も、皆様に刺激を与えられたようで笑、よかったです。

最近のあたらしいこと

好古園

コンフォートホテル姫路

« »