分散型金融のDefi(Decentralized Financeの略)を使ってみました。

Defiとは、預金、貸出などの金融サービスを

ブロックチェーン上で行う金融エコサービス?的なものです。

その名の通り、管理者がいない分散型システムであることが特徴です。

今回、Defiのうち、「Compound」(コンパウンド)という

暗号資産の銀行のようなものを試してみました。

試してみて、銀行の本質をあらためて考えました。

ちょっとマニアックな内容ですが、海外では既に人気のサービスとなっています。

分散型金融に興味がある人の参考になれば幸いです。

Compoundとは

今回使ってみたCompoundというサービスは、

暗号資産を貸したい人、借りたい人をスマートコントラクト(契約を自動的に実行するプラットフォーム)上

でマッチングさせるシステムです。

通常の銀行と同様、貸した人には利息がつきますし、

借りた人は利息を払う必要があります。

銀行と違う点は、管理者がいない点です。

スマートコントラクトを通じて、金利も自動的に設定されます。

 

面白い、と思ったのが利息だけでなくCompoundの利用に応じて、

「COMP」というトークン(暗号資産のようなもの)が配布される点です。

COMPは、Vote(投票券)の性質があり、少しずつガバナンスに参加でき、

価値もついているので上昇したときに売却してキャピタルゲインを得ることも可能です。

このように、資金を提供することによって

  1. 利息収入
  2. トークン付与によるキャピタルゲイン収入

の2つが得られる点が特徴です。

資金供給額、利率

暗号資産、ブロクチェーンと聞くだけで怪しい、と思う方もいると思います。

ただ、Compoundには多くの資金が既に提供されています。

2021年2月15日現在で、8,331,160,954ドル・・桁読めないんですが、日本円でいうと

8,776億円くらいと計算されました。すごい金額です。

金利は、1%きるものもありますが、中には10%を超えるものもあります。

銀行の普通預金が2021年現在0.002%程度なので、相当良いですね。

もちろん新しいものなのでリスクあってこそかと思いますが、

資金供給額を見るとかなりの期待値であることは間違いなさそうです。

Defiの始め方

ざっくりですが、はじめ方をまとめてみました。

①暗号資産取引所で、イーサリアムを購入する

今回利用したCompoundというサービスは、スマートコントラクト上で動くシステム

なので、その機能をもった「イーサリアム」という暗号資産が必要です。

イーサリアムを購入するのは、

日本の暗号資産取引所に口座を開設するのが一番早いでしょう。

私は下記のbitFlyerを使っていますがCoincheck、bitbankなどが有名です。

②ブラウザにウェブウォレット(拡張機能)をインストール

次に、暗号資産を保管できるWeb上の財布のようなもの(ウェブウォレット)

をインストールします。

Compoundと連携できるウォレットは色々ありますが、

「Metamask」(メタマスク)というウェブウォレットがわかりやすいと思います。

こちらをChromeの拡張機能に追加します。

MetaMask – Chrome ウェブストア

パスワード、バックアップフレーズの設定が終わると、

ウォレットが起動します。

③イーサリアムを取引所からウォレットに送る

取引所で購入したイーサリアムをMetamask(ウォレット)に送ります。

まず、ウォレットのイーサリアムアドレス(受け入れるアドレス)を確認します。

設定画面から確認ができますので、コピーをします。

次に、取引所からイーサリアムをコピーしたアドレス宛に送付します。

送り方は取引所によって違いますが、

bitFlyerは「bitFlyer Lightning」というメニューから行います。

先程コピーしたアドレスを貼り付けて、数量を入力し、送付します。

④イーサリアムとステーブルコインを交換する

Compoundにはイーサリアムのまま提供できますが、

利率が低いので今回ステーブルコインと交換しました。

ステーブルコインとは、価格変動のない通貨を指します。

交換を行うには、分散型取引所(DEX)を使います。

(ここらへんで「なんか不安になってきたしやめようかな・・」と思いましたが続けました汗)

今回、有名な取引所ということでUniswapというDEXを利用しました。

始めると、ウォレットとつなげることができます。

「Select a token」で交換するトークンを選べます。

今回、ステーブルコインでも一番有名なUSDT(Tether(テザー)。ドルと連動している通貨)を選びました。

Swapすると、しばらくPending状態になるのですが、

数分でウォレットのほうにUSDTが反映されました。

このとき、少しだけイーサリアムを残しておく必要があります(10,000円換算程度)。

後ほど説明するトランザクションフィーが結構な額かかるからです。

⑤Compoundにステーブルコインを提供する

さて、ようやくCompoundにコインを提供できる段階まできました。

まず、Compoundのサイトにアクセスして「Connect Wallet」よりMetamaskウォレットと連携させます。

無事連携ができると、資金提供、借りる両方ができるようになります。

今回は資金提供するので、SupplyからTetherを選び、

「ENABLE」を押します。こうすることで、提供が可能になります。

このとき、トランザクションの料金が2,000円程度発生しました。

しばらくすると、提供できる状況になっているので金額を入れ、

「Supply」ボタンで提供します。

このとき、GAS FEE(トランザクション料金)が55ドル(6,000円くらい)発生しました。

このあと20分くらい「pending」の状態で少々不安になりましたが、

無事反映されました。

反映されると、「Supply Balance」に預けている金額が表示され、

ときおり利息分が増えているのがわかります。

先程説明したトークン「COMP」もときおり付与されているようです。

なお、預け入れた資金はいつでも「Withdrow」ボタンから引き上げることが可能です。

注意点

フィッシングに注意

暗号資産を送付するときは、偽サイトではないか慎重に確認したほうが良いでしょう。

手数料が高い

今回の取引を行うのに、8,000円程度の手数料がかかりました。

おそらく、今トランザクションが増えていて混雑していて高騰しているのではと・・。

しばらくすると少し落ち着くかもしれません。

このため数万円など、少額の投資には向いておらず、

ある程度まとまった投資額が必要かと思います。

なくなっても良い範囲で・・

先程説明したとおりこのDefiは海外ではかなり人気が出ているもので、

資金提供額もかなりあります。

それでもプログラムのバグなど、新しいサービスだからこそ想定できない

事態も予測しうるのである程度の金額とはいえど、最悪なくなっても良い

金額に留めることをお勧めします。

Defi(Compound)を使ってみた所感

今回、分散型金融のDefiのサービスであるCompoundを使ってみて、

「管理者がいない銀行」を初めて経験しました。

銀行の役割といえば、

  1. お金を預かる
  2. お金を貸す
  3. 送金する

という3つがありますが、

それがすべてプログラムで行われるのを見て、

あらためて銀行の本質を考えさせられました。

透明性は、ある意味銀行よりもあります。

Compound内で行った取引はすべて記録され、一生消えません。

例えば私がUSDTをCompoundに提供した記録は、すべての人が見ることができる

ネット上に公開されています。

 

すごくシステマチックなのだけれど、

考えてみればこういった資金提供、貸し借り、それに対する利息って

人が絡む必要ってないですよね。

そうなると銀行の役割ってなんだろう。と考えたときに、

融資をするための審査、

などが考えられますが

これも現状過去の決算書だったり、

たまたま担当した銀行員の予測だったり、

古い付き合いだから、とかで

予測可能ではありません。

それであったら、帝国データバンクとか、あらゆるデータを詰め込んだ

AIにやらせたほうがよほど正確ではないかと思うのです。

遠いところへ送金する、

ということももちろん暗号資産はアドレスさえわかればできてしまうので問題ありません。

銀行口座を持てない人たちのところへ

資金を届ける「寄付」という形もできるようになるかもしれません。

ただ、犯罪資金などにも使われる可能性があるのは気になります。

まだまだ黎明期ですが、

未来型の分散型金融を経験することで金融の本質を

考えることができます。

好き嫌いあるかと思いますが、私は儲けたいというよりは

近未来の金融のあり方を経験できることに、ワクワクしました。

興味がある人の参考になれば幸いです。

(税金どうするんだろ、というのはまたの機会に)

 

編集後記

金曜日は、執筆している書籍について

最後の最後でギブアップして頼りにしている方へ相談。

無事、本日完成原稿を提出できました。よかった。

 

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