すごく腹落ちした『ファスト教養』

先日、『ファスト教養』という本を読んだのですが

最近私が感じていたことがズバッと書かれてあって、

本当に読んでよかったと思いました。

ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち (集英社新書) | レジー | Kindle本 | Kindleストア | Amazon

 

タイトルは「教養」という言葉が入っていますが、

今の日本が抱える分断を、

これまでの経緯から鋭く分析している本です。

 

わたしもこの本でも書かれている、

「役に立つ」「お金になる」

『ファスト教養』からは、なるべく距離を取りたいと思っています。

 

※学ぶのが大変だった時代の少年

 

なんでも「お金になる」に結びつける違和感

私は仕事に関係ない読書やハンドメイドなど、

「お金にならない」ことが割と好きなんですが、

たまに

「それやってて、稼げるの?」

「それで稼げばいいのに」

という意見を聞くときがあって、

いつも違和感があったんですね。

 

いやいや、すべて「お金になる」「役に立つ」に結びつけないで、と。

 

冒頭で紹介した本のキーワードになっている「教養」

も、元々は私は「自分の楽しさ」「思考の自由さ」を追求するためにあると思ってたので、

「ビジネスに(すぐに)役立つ教養」と言われると抵抗がありました。

お金稼ぐために教養をつけるとか、

めちゃくちゃ面白くないですよね。

 

Youtubeでファスト的に教養を摂取しようと思わない

この本にも紹介されていましたが、

有名Youtuberさんの教養チャンネルや書籍の要約チャンネルなどで、

「手軽に」教養を身につけたいと思う人が多いようです。

その他、論破するYoutuber、炎上したYoutuberなども紹介されていました。

 

一度、この手のチャンネルの動画を見たことがあるのですが

すぐにやめました。

得るものが少なかったからです。

 

思うに、本当に身になる教養って、

30分かそこらの動画を見て

「うん、理解した!よーし勉強したからNetflix見て寝よう」

という気軽さでは学べないと思うんです。

むしろ、見た(もしくは読んだ)後に

「え、なんだろわかんない・・」

ますます「問い」がでてくることが本当の学びなんじゃないかと。

 

多分、インフルエンサーがエンタメ調に小気味よく話す

チャンネルは、じっくり学ぶものじゃなくて情報のかけらの「摂取」

と言うのがちょうど良いかもしれません。

 

職場の上司と話を合わせるために、

2時間の映画を2倍速で見るのもきっと「摂取」ですよね。

 

「自分は目の前の他人だったかもしれない」の視点を持つためにファスト思考を捨てる

この本に、わたしが以前読んで感銘を受けた

マイケル・サンデル先生の

『実力も運のうち 能力主義は正義か?』

と言う本もこの本で紹介されていて、わたしの考えが裏打ちされました。

 

昨今のFIRE(Financial Independent Retire Early。経済的自立による早期退職)

の流行など、

「結局、お金を稼いだものがち」

というファスト思考は、

他者への理解をなくす方向に働くと考えています。

 

実際に貧困で苦しんでいる人がいたら、

「それは自分だったかもしれない」

と思う想像力が本当の教養だと私は考えています。

 

たとえ経済的に成功していても、

それを自分の実力、努力のおかげと考えすぎると

「努力していない人間はダメだ」

という短絡的な思考に陥りがちなのかなと。

有名Youtuberさんが税金を払っていない人を見下していたように。

 

こういった傲慢で本当の意味での教養のない人間にならないために、

ファスト的な思考を捨て、

じっくり、遠回りしてでも

自分の本当の好きを追求して、自分と違う立場の人を尊重する

生き方をしていきたいと、

あらためて感じました。

 

まとめ

『ファスト教養』という本がとても今の自分のモヤモヤを

晴らしてくれる本だったので、紹介しました。

著者は音楽ライターさんのようで、ポップカルチャーに詳しく、

その内容も興味深かったです。

「本当に役立つ」「99%の人が知らない」「まだ○○してないの?」

の煽りに疲れた人におすすめです。

 

編集後記

昨日は、夜、用事があって息子とサイクリング。

まだまだこの時期は夜サイクリングしても

気持ち良いですね。

 

最近のあたらしいこと

12月に初京都旅行をしたく、プランをたてました。

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