秋の夜長には「考えさせられる」読書がおすすめ

秋の夜長は読書にもってこいですよね。

そんなときに、普段読む機会のない

「じっくり考えさせられる」

読書がおすすめです。

NHKの白熱教室で有名になった、マイケル・サンデル先生の本

「それをお金で買いますか――市場主義の限界」

という本は、

行き過ぎた市場主義と、それによって起こる腐敗を考えさせられます。

秋の夜長にじっくり考えたいときにおすすめです。

 

お金では買っていけないもの

この本には

「それ、お金で買って良いもの?」

の問いがいくつも出されます。

例えば、

  • 空港のファストトラック(お金を払って検査待ちの行列の先頭に並ぶことができる権利)
  • ロビイストが公聴会に出席するために行列に並ぶ商売
  • 刑務所の独房の格上げ
  • ダフ行為
  • 謝罪行為の代行料金
  • 結婚式の乾杯挨拶の代行料金
  • 贈り物の現金支払
  • 成績アップのために子どもにお金を払う
  • 出産許可証の流通(中国の一人っ子政策の対策として)
  • 国間の汚染許可証の流通
  • 子どもを名門大学に入れる料金

などが挙げられています。

経済学、市場主義的には

それぞれは人々の効用を高める、という意味で

「正しい」ことになってしまうのが特徴です。

ただこれが行き過ぎると人間として

大事なものが失われる、と著者は指摘しています。

この本のキーワード「腐敗」

この本にはよく「腐敗」という言葉が出てきます。

健康、教育、家庭、公安、環境保護、生殖など

社会的規範、倫理が強く求められる分野に市場主義的な考え方

を取り入れた結果、なんでもお金で買われる状態を

当たり前と考えてしまう人々の考え方を「腐敗」とこの本では表現しています。

もうひとつ、「不平等」の問題も指摘されていますが、

より深刻なのは「腐敗」と。

サンデル先生も「腐敗を説明するのは難しい」

とおっしゃっていますが、

私なりの言葉で説明すると

「それはやっちゃいかんだろう」

と言えることですかね(語彙力なくてすみません)。

いくら経済学的には効用が高まるといっても、

「ダメなものはダメ」

という行為です。

先程の例でも出しましたが、

「謝辞をお金で買う」

「出産する権利をお金で買う」

とかまさにそうですよね。

腐敗しないためには議論、透明性が必要

ただこの「腐敗と言える行為」は

もちろん人によって、国によって、文化によって、状況によって

異なるのは当たり前で

だからこそ「議論」が必要とサンデル先生は書いています。

そう考えると、ちょっと「お金で買ってはいけないもの」

から離れますが

日本でも最近「ダメなものはダメ」

という声が上がりやすくなっているのは良い傾向だと思います。

いち政治家の女性差別発言や、入国管理局での外国人のひどい待遇や。

こういった「腐敗」は密室で行われることが多いので、

議論を行う前提となる「透明性」も大事ですね。

何が起こっているのか、知ることすらできなければ議論すらできません。

その鍵となるのが

ブロックチェーンなど、テクノロジーを使った民主化だと思います。

お金の分野では既に使われていますね(仮想通貨)。

中央でしか決められなかったルールを、民衆が一部取り戻せた例です。

最近では、電気の世界でもブロックチェーンが活用されているのを聞きました。

今後自分たちが食べるもの、自分たちが参加する政治、自分たちが住む町、

などさまざまなものが透明化され、腐敗がなくなる世の中を願うきっかけになりました。

 

マイケル・サンデル先生の本の中では読みやすく、

秋の夜長におすすめの本です。

 

編集後記

少し先ですが、プチ旅行の予約を入れてみました。楽しみです。

 

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