[お勧め本]『諦める力』為末大さん著 – 「何が勝ちか」をはっきりさせることの大切さ
5/252021
カテゴリー:本
2013年ということで少し前に出版された本ですが、
元陸上選手の為末大さんの『諦める力』はあらためて良い本だと思いました。
特に、「自分は努力できない」
と悩んでいる人にお勧めです。
「何が勝ちか」をはっきりさせる
厳しいオリンピックの世界で活躍された著者の言葉
「どこで勝つか」より「何が勝ちか」をはっきりさせておくことが、自分が本当に勝ちたいフィールドでの勝利につながるのだ。
が一番響きました。
例えばオリンピックであれば
トータルのメダル数か、
メダリストの数で測るのか、
金メダルの数で測るのか。
どの基準を選ぶかによって戦略も違ってきますよね。
それにもかかわらず意外と世の中は「何が勝ちか」
は固定されていることが多いです。
受験や資格試験なんかはまさに固定されているものですが、
その後の人生は多くの選択肢があるにもかかわらず相変わらず
何(収入、地位、学歴など)が勝ちかが決まっています。
結果として、目の前のランキングや序列を過剰に意識してしまい
いつまでたっても自分にとっての勝利を手にすることができないのでは、と思いました。
そうならないためには、自分にとって何が勝ちで、何が負けかを明らかにしておくことが必要です。
私にとっての勝ちと負け
私も人のことを言えず、つい最近まで
自分にとって何が勝ちなのか、何が負けなのかがはっきりしていませんでした。
そのため、周りに振り回されてばかりで。
でも独立してようやくはっきりしてきました。
自分にとっての「勝ち」とは、好きな人と好きな仕事をして
必要最低限の収入を得た上で家族・自分の時間を大切にする生き方です。
優先順位は、間違いなくお金<時間、自分そして一緒に過ごす人です。
このことは先日出した電子書籍にも書きました。
そして私の負けとは、「考えることをやめること」です。
人や事象に対して疑問を一切持たずに惰性で生きていくこと。
楽な生き方かもしれませんが、それは私にとって死んでいるのと同じです。
お金が尽きることよりも、考えることをやめるときのほうが怖いです。
(認知症になったら正常な状態のときにブログ書きます)
「諦める」じゃなくて、「軌道修正」
この本には「諦める」「やめる」という言葉はどうしても
ネガティブに聞こえるので、「選び直し」「修正する」という前向きなことばをお勧めしています。
まさに、これはずっと私が思っていたことで、
最近好きな言葉に「軌道修正」という言葉があります。
他にも道はたくさんあるのだからこだわらなくていいし、いちいち「失敗」「諦め」と捉える必要もないじゃん、と。
「努力すれば報われる」という綺麗な言葉に乗せられて
勝てない環境に身を置いて心身をすり減らすよりも、
自分が(さほど努力しないでも)勝てる環境に身を置いて、軌道修正しつつ人生を楽しむ。
そして「絶対に譲れない」こと以外は、トレードオフと割り切ってあっさり捨てていく。
こんな生き方が理想だと思っていたところなので。
日本人は特に
「努力できない人間はダメだ」
「自分のためではなく、周りのために無理して頑張ることが美しい」
「仕事も家庭も諦めない」
「ワークライフバランス」
という考えが強いため受け入れ難い考えかもしれません。
ただ正直、努力だけではどうにもならないこともたくさんあります。
女性ということだけで教育すら受けられない
国に生まれた人と、日本に生まれた私を考えた時に、
「私は努力したから」なんてことは本当に言えません。
同じ日本に育ったとしても、ちょっとした環境の違いで努力の量なんて吹き飛びます。
「努力できない」と思っている方は、
自分にとって何が勝ちなのかが明確ではなく、
努力の対象と、努力を行う場所を間違っているかもしれません。
やめることが悪いことではなく、
定期的に立ち止まって「軌道修正」をしていくことが大事とあらためて認識しました。
まとめ
以前読んだ為末大さんの『諦める力」を再度読んで
響くものがあったので書いてみました。
努力信仰に疑問を持っている方にお勧めです。
編集後記
昨日は3月決算のお客様の申告書を完成。
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