この時期、税務署は人でごったがえす

所得税の確定申告期限はあさって3月15日までです。

昨日夫が、税務署へ確定申告書を提出しに行ったところ、人でごった返して

提出するだけなのにかなり待たされたそうです。

中にはその場でアドバイスを受けながら税金計算を行っている場面もあったようで・・。

「来年からは絶対郵送にする!」と言っていました。

(私としては、e-Taxすればいいのに、と思いますが。意外とアナログ)

税金計算、絶対ひとりじゃできないですよね

先日個別に税務相談を申し込んでいただいたお客様は、「確定申告の書き方がわからない」

ということでご依頼してきてくださいました。

仮想通貨の所得が出ていたのですが、その計算は終わっておりあとは申告書への転記

だけだったのですがひとりだと不安だということで。

1時間かけて申告書の転記を手伝っていたところ、

「これ(税金計算)、絶対ひとりじゃできないですよね」

と言われて

「複雑ですからね〜」

と軽く答えてしまったのですが、ふと

「税金の計算・申告は国民の義務なのにひとりでできない制度ってどうなんだろ」

と考えてしまいました。

原因は複雑な制度以外にも

基本的な税金の授業が教育に含まれていない

確かに税金の制度は複雑です。

ただ、それ以前に基本となる考え方すら私たちは学生時代から勉強していないことに気づきます。

もし私が税理士という職業についていなかったら、税金の知識も全くなく今に至っているでしょう。

(税理士以外の仕事で独立・起業していたら勉強していたかもしれませんが)

たまに小中学校で税金の教室をしているのですが、

生徒というよりは先生方が「そうだったんですか」と初めて知ることばかりのようです。

ひとりで税金計算できない原因は、複雑な制度というよりは

基本的な税金の勉強すらも教育のカリキュラムに含まれていないことが大きいと思います。

真剣に税金を教えようとしていない気がする

国は本当に真剣に税金の知識を国民に広めたいと思っているのかな、と疑問に思うところがあります。

(策略なのかもしれませんが)

先に説明した小中学校における租税教室は年に1回しか行われない学校が多いです。

ごくたまに税理士という見知らぬ外部者が来て、税金の講義をしたところで

税金の知識が身につく、興味を持つとも思えません。

それ以前に、税金はお金のコントロールの1つに含められますが、

お金に関する授業もほとんどされていないのが現状です。

手続き面においても、インターネットを使って申告できる電子申告はまだまだハードル高めです。

無料相談も原因の1つではないか

毎年大々的に行われる税務署・税理士による無料相談も原因のひとつではないかと思っています。

無料相談については賛否両論あると思います。

かくいう私も毎年何回か参加させていただていますが、

とにかく捌くこと中心(現に「ノルマ」があることも)の税務当局の考え方に違和感があります。

無料相談に来られた方で

「また来年きます!」

とおっしゃられていた方がいました。

ま、まあ嬉しい部分もありますが

言われたとおりの税金を納めるだけでは自分のお金を守る術はなかなか身につきません。

「無料」ほど高くつく言葉はないと思っています。

無料相談で大量に代行して数を捌くことも一時的には効果があることかもしれませんが、

「ひとりで税金計算できるようになる(最終的に専門家がチェックする場合も含め)」ほうが長い目でみたらずっと効果的

ではないでしょうか。

まとめ

「税金計算は難しい、ひとりでできない」ということを聞いて、

すべての国民が関係することなのに、そのままでいいのだろうか。

とふと疑問に思い書いてみました。

特に所得税は事業を行っていなくてもすべての国民に関係することなので。

できないことが問題ではなく、学ぶ機会がない・その気にさせないような制度に問題があるのではないかと。

相談を受ける税理士側からみたら「勉強になる」など利点があるかもしれませんが、

結局税金計算ができない人のために税金が使われている、その場限りでひとりで税金計算できないからまた来年も来ることになる、

というのは国や納税者のためなのかどうか。

個人的には、基本的な税金の知識はすべての国民が持ち、

時間をかけて各人に合った「アドバイス」を税理士など専門家がしていく流れにしていく方向が良いのではないかと思っています。(もちろん無料ではなく)

編集後記

昨日、最後残っていたお客様の確定申告を済ませました。

今朝は何ヶ月ぶりかに朝起きられず。不覚。

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