電子帳簿保存法をはじめ、

最近は会社内のあらゆる手続の電子化が注目されています。

電子化はそれ自体を目的にするのではなく、

業務全体の効率化を考えた方が良いと思っています。

 

完全電子化を一番に勧めなかった理由

今年の1月に、「速解!年末調整の電子化」という本を書きました。

年末調整の電子化の方法と、その手順、注意点をまとめた本です。

速解! 年末調整電子化ガイド | 戸村 涼子 |本 | 通販 | Amazon

 

国税庁のHPでは、

無料の年末調整の電子化ソフトである「年調ソフト」

を使った方法が「完全電子化」として「効率化効果No.1!」

掲げられています。

出典:年末調整手続の電子化に関するパンフレットについて|国税庁

著者としても、これを一番に勧めたほうが国に忖度?できたかもしれませんが

しませんでした。

効率化効果No.1とは思えないからです。

 

その理由は色々ありますが、

  • 年調ソフトがインストール型ソフトであること
  • 年調ソフトは控除申告書データの作成までしかできないこと
  • ほとんどの給与計算ソフトに年調ソフトのデータをインポートできないこと
  • 電子申告機能がないこと
  • マイナポータル連携が非常に手間であること

などです。

控除証明書、控除申告書をすべて電子化できたからといって、

効率化にはつながらないのです。

 

業務全体の効率化を考える

結果として、上記の本では

一部紙を残した案(クラウド給与計算ソフトを使った方法)をベストと紹介しています。

そのほうが、業務全体の効率化を目指せるからです。

 

最初から業務全体の効率化を目指せるシステムを

選び、システムに合わせて人が変わる

ことが大切と考えています。

 

効率化を目指せないシステムを使い続け、

一部だけ電子化しても

経理の手間が増えるだけです。

 

電子化は単なる手段であって、

業務全体の効率化を意識した制度設計が大切と考えています。

 

まとめ

年末調整の完全電子化を本で勧めなかった理由を書きました。

大切なのは業務全体の効率化ですので、

電子化自体を目的にしないことが大切ですね。

 

編集後記

ちょっと昔懐かしい写真が撮れる、

オールドレンズを楽しんでいます。

「こういう写真が好きなんだなあ」という気づきにもつながってます。

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