効率化の流れの中で残る非効率さ、人間らしさ

昨日、都内の税理士法人で打ち合わせをしていたときにRPA(Robotic Process Automation)の話になりました。

簡単な仕事を24時間文句もなくしてくれるロボットは効率化に必須ですね、ということで話していたときに

「でも、たまに間違えるロボットがいたらなんか人間ぽくていいですよね

と言っている人がいました。

このところ生産性向上、残業時間削減のためにとにかく業務効率化!といったことをよく聞きますが、

そんな流れの中で残る非効率さ、アナログさ、人間らしさの大切さを感じています。

非効率さは切り捨てていいか

先日、私が書いた書籍の感想(わかりやすかったとのこと)と、書籍内容のちょっとした不備について、自筆でお手紙を送ってきてくれた方がいました。

今の、この時代にまさかの手書きでお手紙をくれる方がいるとは!

文面や文字からして、年配の方のようでした。

不備については反省するとともに、わざわざお手紙でこういったことを知らせてくれるのは大変ありがたいことだと思いました。

これがメールでの連絡だったら、あまり心に残らなかったかもしれません。

メールであれば瞬時に相手に伝わるけれど、たとえ非効率でも手書きで手間をかけて伝えてくれるありがたさ、思わぬところで再認識しました。

でもこれが単なるビジネスの連絡だったら手紙はありえないでしょう。

切り捨てて良い非効率さ、そうでない非効率さを整理することが大事だと思っています。

災害時には効率化スキルは使えない、「アナログ」が役立つ

ちょっと話題ががらっと変わりますが、

災害が引き続き起こっているなかで、身が引き締まる思いだったのが、良品計画のこちらのパンフレットです。

わたしの備え。いつものもしも。七日間を生き延びよう。

災害後の7日間、どう生き延びるかが親しみやすいイラストとともに紹介されています。

普段からの備えにとても有用です。

これを見て、いくら普段「ITに強い」「効率化できる」などと言っていたとしても文明の機器に頼っているだけで、電気がとまれば何もできないんだよね・・ということを認識しました。

どこかで練習しているはずだけれど、消化器1つ使えるかどうかも危うい。

こういったときのことを考えると、「あるものでなんとかする」といったアナログによる解決力もつけておかねばと思います。

近所への声がけも、AIで解決できるものではないですしね。

ちょっと脱線しました。

大事なのは効率、非効率一方に偏らないこと

様々な報道を見ていると、

「AIは人間の仕事を奪う!」

などの効率化を恐れる意見と、

「非効率なやり方をしている人間は生産性低い!」

などと非効率を非難する意見とが

あふれていますが、大事なのは一方に偏らない考え方だと思います。

私はどちらかというとITを利用して効率化を、という姿勢ですが、

世の中にはそもそも効率化に興味ないという人もたくさんいると考えています。

そういう人たちにいくら効率化!と言ったところで何も響かないでしょう。

 

効率化の時代に残る非効率さ、アナログは必要ですし、むしろそういったもののなかに「人の幸せ」が隠れているのでは、と思っています。

うまく言語化することは難しいのですが。

例えば結婚、子育て、地域とのお付き合いなどは効率・非効率の視点だけで考えると言い方はどうかと思いますが非効率の典型かと思います。

結婚に「コスパ」という言葉が使われているのもその証拠ではないでしょうか。

だからといって効率化できないもの、として切り捨てて良いものではないでしょう。

私も実は非効率的なことが大好きです。(外注せずに全部自分でWebサイトを作ったり、わざわざ買えるものを手作りしたり・・)

普段自分の属しているコミュニティの価値観だけでなく、世の中のあらゆるコミュニティを見渡せる俯瞰力が必要だと感じています。

 

編集後記

昨日は、都内の税理士法人を訪問。

外国製のクラウド会計ソフトのデモンストレーションをしていただいたのですが、とても興味深いものでした。

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